長野市
株式会社 新工務店「信州。新の家」
株式会社 新工務店「信州。新の家」 (長野市)
長野市 / F邸 / 夫、妻、長男、長女、夫の父、夫の母
玄関の扉を開けると、凛として清々しい木の香りに包まれ、自然と心が和らぐF邸。 「先代、先々代と住んできたのは木の家。『現代住宅はハイカラでいいな』と思う反面、木の家への想いが強かった」と、笑顔で迎えてくれたのは70代のお父さまだ。もともとの住まいは増築を繰り返した築43年の家。しかし、ふたりの孫たちのためにと息子夫婦と相談し、建て替えを決意した。「新工務店さんの自由設計には本当にたまげた! 今風の考え方も反映しつつ、伝統を守る。素敵な家になった」と喜びもひとしお。
デザインはもちろん機能も充実。天然無垢材と自然素材にこだわり、湿気や有害物質を吸収。ホルムアルデヒドが国の基準値のわずか5分の1というデータもあるほどだ。また断熱性、気密性にも優れ、省エネも実現している。
これまでにも幾多の2世帯住宅を手掛けてきた同社は、「2世帯とはいえ、家族が出入りする玄関は共通に」と提案。祖父母が学校帰りの孫たちを迎え、夫妻が帰宅するまで一緒に過ごす。程よい距離感を保ちながら、子どもたちの成長を家族みんなで見守る理想の住まいが完成した。
「ねぇ、見て。きれいでしょ」と嬉しそうに家の隅々まで案内してくれたお母さま。指差す床の間と仏間の天井には、ほとんど目につかない部分にも関わらず、網代と葦ボードが丁寧に施されていた。職人たちの「一切手抜きなし」という心意気と繊細な仕事ぶりが伺える新世代の“和の住まい”である。(ナガノの家 2016年春夏号 vol.5掲載)
年を重ねたご両親のことを考えて全館バリアフリーに。キッチンから和室までフラットな空間が広がる。ダイニングのシラス壁の濃茶が、空間をキリッと引き締めるアクセントに