長野市／徳武邸（戸隠竹細工文の郷）

大きな2階建ての民宿から　土間サロンのある竹細工工房へ

　民宿だったご実家を平屋に減築し、自身が営む竹細工工房へとリフォームした徳武さん。「かっての雰囲気をできるだけ残したい」と壁は漆喰塗りに、床は長野県産のカラマツを重ね貼りするなどの工夫を施した。一方で、建具やキッチンの天井は塗装でイメージチェンジ。使う色を木目と白、黒、ベンガラ色に絞り、華やかさと古民家らしい落ち着きを併せ持つ佇まいへと一新した。

　間取りを大きく変更したのは、工房の顔となる土間サロン。「お客さまはもちろん、近所の人や家族が気軽に集えるオープンな工房に」との希望で、作業場とサロンはひと続きのデザインに。現代の暮らしに合う性能を加えつつ、２階の小屋組みに使われていた丸太を式台やベンチに再利用するなど、古いものを残しながら次世代へつないでいける建物へと生まれ変わった。

（ナガノの家リフォームリノベーション　Vol.5　2021-2022掲載）