上田市
株式会社 林工務店
株式会社 林工務店 (上田市)
上田市 / I邸 / 夫、妻、長男、長女、次男
昔ながらの匠の技と
現代的な感性が
見事に響き合う住まい
「雀と大工は軒で泣く」という言葉があるが、I邸の軒を見上げればその技術の高さが伺える。I邸の魅力は日本の伝統工法とモダンデザインの調和。伝統美を生かしつつ、焼杉の外壁やピクチャーウィンドウ、重心の低いシルエットなど、現代的なデザインを融合させた。室内空間も然り。天然木をふんだんに用い、まるで寄木細工のように仕上げられた床や天井には、伝統の技が惜しみなく活かされている。「デザインのディテールまで職人さんと直接相談でき、オリジナリティを出せました」とご主人。“宙に浮かぶような階段を”という要望に応えたオープン階段や、天然木をあらわした出窓など、こだわりを一つひとつカタチにしている。
「自然との調和」もテーマのひとつ。1階の「ハーフデッキ」は、赤マツの格子によってプライバシーを保ちつつ、自然光や風を採り込める。2階の子ども部屋には大胆に設けた窓が。美しい里山の風景が目を楽しませてくれる。
そして特筆すべきはゼロエネルギー住宅だということ。温・湿度をコントロールする健康住宅WB工法を取り入れることでエネルギー消費を大幅カットしつつ、家全体の電力をソーラーシステムから供給。さらに屋外コンセントを通じて電気自動車への給電も可能だ。「WB工法は予想以上に断熱性が高く、当初予定していた薪ストーブは不要でした。平屋の暮らしやすさを求めて2階部分は小さくしましたが、それもエネルギーロスにつながったようです」とご主人。家族にも環境にもやさしい家づくりを叶えた。
(ナガノの家 Vol.16 2021年 秋・冬号掲載掲載)
家の中央にある玄関と東のリビング、西の水回りを結ぶ中間にダイニングキッチンを設けたI邸。団らんスペースと通路の機能を備え、空間を有効活用できた。床はアカシアの無垢材。「色合いや光沢に惹かれ、アカシアの床をベースにタモの一枚板のテーブルやレッドシダーの天井などで空間をコーディネートしました」とご主人