小布施町 ／ N邸 ／ 2人

「うなぎの寝床」を活かして 家にリズムと表情をつくる

間口約8ｍ、奥行き約32m。東西に奥行きのある広い敷地に建つのは、瓦屋根の載る大屋根の家。道路からたっぷり引きをとり、東と西にふたつの庭をもつ家は、庭と呼応しながら風情ある佇まいを見せている。
　「家にいる時間がいちばんの癒し」と話すのは、この家に住むNさんご夫妻。元々岐阜に暮らし、共に公務員だったご夫妻は、奥さまの実家の稼業継承を決めたのを機に長野に転居。慣れない仕事に奮闘しながらアパート住まいを続ける中で、心落ち着く場所を求めて家づくりを決めたという。ご夫妻にとっては２度目の家づくり。「暮らしやすくて心地いい家を」と頼りにしたのは、信頼を寄せていたイマイ企画の今井社長。「断熱性の高さも決め手のひとつ。見学会を訪ねたとき、体感でわかるほどの違いに驚いた」と話す。
　吹き抜け越しに空間がつながる新たな住まいは、ワンフロアで暮らせるつくり。無垢の木や火山灰土で仕上げた空間は、自然素材ならではの柔らかな空気をまとい、落ち着いた雰囲気を宿
している。冷暖房は、エアコン１台。暑さ寒さに惑わされることなく、一年を通じて穏やかに過ごせるそうだ。「家に帰ると、ほっとします」と奥さま。ご主人も「この家があるから頑張れる」と笑みを浮かべる。心休まる場所を求めてつくった家は、日々挑戦を続けるご夫妻をやさしく包み込んでいる。（ナガノの家 vol.25（2026春夏号）掲載）