長野市 ／ M邸 ／ 夫、妻、子

心安らぐ間取りの工夫と素材使い田園を望むサンルームのある家

　猛暑日となった取材当日、多角形のサンルームが目印のM邸の玄関に入ると、うだるような暑さが嘘のようにほんのり涼やか。それは空調の快適さだけでなく、高い断熱性能と清々しい木の香りの効果も大きいはずと、深呼吸しながら考えた。県産材をふんだんに用いつつ性能の高さも追求したM邸は、長期優良住宅としても認定された住まい。ふぁいんはうすのすすめから、平成26年地域型住宅ブランド化の補助金枠をタイミングよく活用できた。「できるだけ自然素材を使いつつ、快適に暮らすための高い性能も重視」する企業姿勢には、ご家族みんなが共感できたという。
　「家族の拠り所だからこそ、大切に住み継いでいきたい」というのがMさんご家族の思い。それは新居のそこかしこに、以前の家で使っていた床柱や欄間などが取り入れられていることからも伝わってくる。また希望のひとつに、「家族のコミュニケーション空間と同時に、それぞれのプライベート空間も充実させたい」という願いもあった。そこで１Fの共有スペースは、ＬＤＫを中心にグルグルと回遊できるレイアウトに。一方で家族それぞれの個室をしっかり備え、各部屋の収納も手持ちの家具や荷物に合わせてたっぷり目に取った。特に「読書が大好き」というご家族のリクエストから、蔵書を収める棚を２階の随所に。東南の角には隠れ家的なホビー＆ライブラリースペースもあり、存分に読書タイムを満喫できるはずだ。（ナガノの家　2016年春夏号　vol.5掲載）