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白馬村 / 白馬八方尾根の家 / 2世帯
2年後に控えたゴンドラ開業を機に、新たな事業展開を決めたOさん。代々営む旅館業から街づくり関連事業へと転換し、事業地を再開発することにしたという。そこで必要になったのが、居住棟の移設。長年旅館を守ってきたご両親も「新たなスタートを応援したい」と快諾し、Oさん夫妻を事業地に残して居住棟を移すことになった。新たな土地は、観光客で賑わうエリアから一歩入った落ち着いた地域。白馬三山が見渡せる場所だ。建築は、兼ねてから親交のある北野建設に依頼した。「街づくりに貢献する同志でもあり地域をよく知るつくり手でもある。省エネで快適な暖房システムも決め手のひとつです」。
新居に求めたのは、二世帯住宅として居住でき、将来従業員宿舎として機能すること。遠方からの来客も多いことから、もてなしへの配慮も大事にした。完成した住まいは、景色に溶け込む大屋根の家。1階はご両親のエリア、2階は近々事業に加わる弟夫妻のエリアになっていて、空間全体にゆとりがある。ゲストルームも完備し、来客がゆっくり滞在できるようにした。施工を振り返り、「さすが北野さんだった」とお父さま。「ノウハウや対応がずば抜けていて、実力を見せつけられたよう」と話す。新居に越して1ヶ月。白馬八方の景色を眺めながら街の発展と新たな事業を楽しみに見守るご両親の背中から、ご家族に脈々と受け継がれる地元への熱い思いを感じた。(ナガノの家Vol.24(2025秋冬号)掲載)
大きな大屋根に覆われた白馬八方尾根の家。1階は石張り調サイディング、2階はカラマツの板張り。景観に馴染む山小屋風情の外観に仕上げた。屋根は自然落雪。雪割をつけて5寸勾配とし、建物周囲に十分な落雪スペースを設けた