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安曇野市 / M邸 / 夫、妻、長女、次女
奥さまが嬉しそうに見せてくれたのは、スマートフォンの写真。「この家で迎えた最初の朝、窓の外の北アルプスの美しさに感動して撮ったんです」。別の1枚は夏の安曇野花火。庭から大輪の花火を間近に望めるこの家で、特等席さながら花火を楽しんだ大切な思い出だ。この家に暮らして半年。シャッターを切らずにはいられない瞬間が、毎日のように繰り広げられる。
常念岳から白馬連峰を一望できるこの土地に出会ったのは3年前。「オーナーさん達が声をそろえて『良い家を建ててくれますよ』と満足げな表情で話してくれたのが東建築設計さんでした」と、すでに信頼できる匠を見つけていたご夫妻は、待望の家づくりをスタートさせた。
テーマはもちろん、眺望を暮らしの中心に取り込むこと。西に配したLDKには、4枚の大開口と2枚のピクチャーウインドウを設置。全長9mのウッドデッキが室内と室外をゆるやかに結ぶ。子育て中のご夫妻は、家事ラク重視。キッキン、脱衣室、ファミリークローゼット、洗面所へと回遊するロの字型の動線を採用。個室にはあえて収納をおかず、廊下に大容量の収納を備えてすっきりを叶えた。
奥さまが最後に見せてくれたのは子どもたちが北アルプスを見ながらウッドデッキでおにぎりを頬張る写真。何気ない日々のひとコマも、この家では特別なワンシーンとなる。
(ナガノの家 Vol.25 2026年 春・夏号掲載掲載)
北アルプスの眺望を取り込むため、西側に開けたM邸。1.7mの深い軒が西日を遮ってくれる。軒天に張られたスギ板とLDKのナラの天井、ヒノキのウッドデッキと室内の無垢のナラ材の床。内と外を木でつなぐことで、LDK全体に一体感を生み出した