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松本市 / H邸 / 夫婦2人+子ども2人
「あるお宅に取材で足を踏み入れた瞬間、こんなお家に住みたいと素直に思いました。同じお家を再現してほしいとお願いしたくらいです」と話すHさんは本誌のライターで、東建築設計の取材を通じて同社の家づくりに惚れ込んだのがきっかけ。「そのお宅はほぼ全ての家具が造作。『腕の良い大工さんが、自分たちのために心を込めて作ってくれました』と話すご家族の嬉しそうな笑顔が印象的でした」。
奥さまのご実家にご両親や祖父母と暮らしていたHさんご夫妻。耐震性や断熱性能への不安から、建て替えは長年の課題だった。工事は明治時代の蔵や築70年の母屋を含む5棟を壊し約300坪の敷地を整地する大がかりなもの。「解体から整地まで業者の方とスムーズに進めてくださり安心してお任せできました」とHさんのお父さま。憧れのお宅を再現するようにLDKの天井と床には無垢材をふんだんに使用。家具の9割を造作した美しい木の住まいが完成した。
和室にある掘りごたつは、古くから親しんだ母屋にあった掘りごたつを大工が再現したもの。天板の角を丁寧に面取りした匠の心遣いが、無垢の木の手触りをより心地良くする。新しさの中に懐かしさがあるような、想いを丁寧に紡いだ住まいは、歴史を取り込み風土と融合しながら、まるで昔からこの場所に在るかのようにたたずむ。(ナガノの家 2025年秋冬号 vol.24掲載)
傷が付きにくいヨーロピアンオークを天井と床に使用し上質な空間に仕上げたLDK。「家の中にいると木の匂いがして森の中にいるみたい」と娘さんもお気に入り。あづみの松で造作したダイニングテーブルは、食事や勉強時にも広々と使えるように既存のサイズより大きめに仕上げた