松本市 ／ K邸 ／ 6人

6人＋1匹がのびのびと暮らせる安心への工夫

　「おばあちゃんのおにぎり美味しい」、「今日は幼稚園で何したの？」。２歳から97歳まで、四世代６人で暮らすＫ邸の食事風景はいつもにぎやか。おばあちゃんからひ孫までが同じ食卓を囲む、今や懐かしくもある団らんのひと時は、K家では幸せな日常の風景だ。
　もとは別の住まいで暮らしていた三家族。ご主人の祖母が暮らす明治時代の自宅の建て替えを検討していたタイミングで、アパート暮らしをしていたＫさんご夫妻に第二子が生まれることに。「育児も介護も皆で助け合えたら」と、思い切って同居を検討。５社以上のビルダーを回る中で出会ったのが、２５０家族以上の二世帯住宅の知見を詰め込んだ家づくりを行う「二世帯住宅専門店トモニハウス」だった。
　K邸は、約３００坪の敷地を活かしたゆとりある平屋。玄関の西側にＬＤＫや水回りといった共有スペースが、東側にそれぞれの個室が配置されている。ご主人は仕事柄夜勤が多いため、家事・育児は奥さまとお母さまで分担。どちらかが子どもの世話をしていれば、もうひとりは食事を作るなど二人三脚で協力し合っている。「お母さんは居なくてはならない存在。本当に助かっています」。
　おばあさまのためにもひと工夫。居室のすぐ横にトイレと洗面スペースを設けて生活動線を最小限に抑えている。今でも畑仕事にも精を出しているというおばあさまは、「毎日、ひ孫の声が聞こえるのが嬉しい」と目を細める。笑い声が響くこの家で、家族が寄り添い日々を紡いでいく。
（ナガノの家 vol.25（2026春夏号）掲載）