白馬村 ／ R邸 ／ 夫婦+子ども3人

日本伝統家屋に倣う 心ほどかれる美しい暮らし

自然を感じ、心の琴線に触れる瞬間を大事に過ごす

「帰りたいと思える場所をつくりたかったんです。モノとしての“家”ではなく、家族の暮らしが息づくあたたかな“我が家”を」。そう話すのは、自然豊かな白馬に住まいを構えたRさん。家族と一緒にスキーリゾートに通うのが毎年の楽しみだった小さい頃。一日中森で遊び、友達をつくった体験が深く心に残っている。「子どもたちにも、スキーリゾートを通してさまざまな経験をしてほしい」。その思いから、家族で定期的に白馬を訪れていた。はじめは賃貸暮らしだったが、長く過ごすうちにこの地に腰を据えようと家づくりを決意した。
計画にあたって相談したのは、建築家でもある友人「バートロメオ・デザイン」。野尻湖の友人邸を見学させてもらったとき、Rさんの気持ちは一気に動いた。「日本家屋のような静けさと、西洋の感性が重なり合ったクリエイティブな空間に感銘を受けました」。光の入り方や景色の切り取り方、時の移ろいなど、心に響くシーンが随所に散りばめられた住まい。その美しさに魅了され、Rさんは友人への設計依頼を即決。施工は、友人宅を手掛けたトレスホームズへ声をかけた。「設計の想いが隅々まで生きていて、安心感がありました」と振り返る。完成したのは日本の建築様式を取り入れた、自然に寄り添う住まい。「ただ過ごすだけじゃなくて、驚きとか喜びとか、日常の中での“ちょっとした感動”を楽しみたかったんです」。大自然に身をまかせるような心地よさに包まれた住まいには、胸が高鳴る瞬間が満ちていた。