長野市
株式会社 T-PLANアーキテクト
株式会社 T-PLANアーキテクト (長野市)
長野市 / W邸 / 夫、妻、長女、次女、長男、デグー1匹
見え隠れする壁の色が楽しい
住まいの中心の階段が
家族をゆるやかにつなぐ
Wさんご夫妻が家を建てたきっかけは、3人の子どもの個室が必要になったため。一方で「個室にこもりきりでなく、家族が自然とリビングに集まる家にしたかったんです」と振り返る。
そこでT‐PLANアーキテクトの袮津さんが提案したのは、ワンルームの広いLDKではなく、あえてダイニングとリビングをT字型の壁で区切ったプランだ。壁の両端を通り抜けられる回遊動線にすること、個室へ続く階段を住まいの中心に配置することで、家族の動線がゆるやかに交わる。「オープンな空間も魅力的ですが、壁があることで奥行きが生まれるし、生活感を隠したり家具を置いたりと暮らしやすくなる。インテリアの雰囲気も切り替えられますね」と袮津さん。W邸はカジュアルなリビングに対し、ダイニングは奥さまが選んだアクセントウォールで北欧調のトーンにまとめている。
当初はデザインに惹かれてT‐PLANアーキテクトへの依頼を決めたご夫妻だが、打ち合わせの中で暮らしへの細かな配慮に感動したという。「袮津さんから最初に聞かれたのが『洗濯物はどこに干しますか?』。生活を知ろうとしてくれているんだと感動して、ハートを射抜かれましたね」と奥さまは笑う。布団を干しやすいよう寝室にバルコニーをつくる、幼い長男が奥さまの近くで勉強できるスペースをダイニングに設けるといったように、デザインだけでなく毎日の食事や家事、子どもとの関わり方など生活スタイルを的確にヒアリングし、家族が心から納得できるプランをカタチにした住まいだ。
(ナガノの家 Vol.16 2021年 秋・冬号掲載掲載)
1階リビングの階段を通って2階へ上がるプラン。吹き抜けを介して上下階の気配がゆるやかに伝わる。リビングのテレビ背面はご主人の希望で凹凸のあるデザインウォールと間接照明を組み合わせ、明るく素材感豊かなコーナーに