長野市 ／ S邸 ／ 夫、妻、長男

機能とデザインを両立させた、インダストリアルスタイル

　空き家になっていたご主人のご実家を建て替え、スタイリッシュな新居を構えたＳさんご一家。「当初はリノベーションで考えていたので、その希望に対応してくれる会社を探していました。選択基準は、デザインの感性が合うことが第一」とご主人。広告デザイン関係の仕事を持つSさんが「ここならば自分の理想を叶えてくれる」と確信したのが、デザイン性の高い住まいを多く手がけるＴ─ＰＬＡＮアーキテクトだった。
　ご夫妻が新居に求めたリクエストは、間仕切りのない大空間。どこにいてもお互いの存在感を感じられる家にしたいと、壁や扉は最小限に留められている。「リラックスする場所と家事でバタバタする場所を分けたいと思っていたんです」と奥さま。１階は寛ぎのスペースに徹し、フロアの大半をＬＤＫに費やした。プライベート空間である２階は、浴室と脱衣場、クローゼット、寝室、物干しスペースを回遊させ、生活動線を考え抜いたムダのないつくりになっている。
　機能性だけでなく、もちろんデザインにも並々ならぬこだわりが。ダークな色合いが上質感を醸すクリの無垢フローリング、随所に散りばめたアイアンやモルタルといったインダストリアル素材を取り入れつつ、アクセントカラーのブルーを見事に使いこなしてクールな空間に仕立てた。「コーディネーターの方が、一つひとつの素材感まで確かめながら提案してくれたので、細かいイメージも具現化することができました」。デザインのプロであるご主人も大満足の仕上がりだ。（ナガノの家　2018年秋・冬号　vol.10掲載）