株式会社ハルタ (軽井沢町)

上田市 / モデルハウス

旧教員住宅をレストレーション 世界基準の住環境でゆとりの暮らし

 北欧のヴィンテージ家具や雑貨の輸入販売、ベーカリーとして名を知られるhalutaが、初の住宅事例となる改修物件を手がけている…と聞いたのは今年の春。わずか16坪なのに、開放感と心地よさで満たされた住まいを実現するという。「どうやって?」で頭をいっぱいにしながら、取材へ向かった。

 訪れたのは容赦なく日差しが降り注ぐ真夏の昼下がり。吹き出る汗に閉口しつつ中に入ると、爽やかな空気で室内は満たされており、驚いて温度計を見ると室温は24度。そのうえまとわりつく湿気が一気に消え、高原の木陰のような涼やかさなのだ。「エアコンは無いんですよ」という設計担当・北山さんの言葉で2度目の驚き。この家のひとつ目のテーマ、「世界基準の快適な室内環境」が本領を発揮しているのだ。

 「ポイントは3つ。まず高効率の熱交換換気システムによる熱ロスのほとんど無い換気。そして外気温に影響されないための高断熱。さらに湿度を調整できる冷暖房機器。要は温度と湿度をコントロールできれば、この心地よい空間が生み出せるんです」と北山さん。その言葉に、温湿度のコントロール=空調の大切さ、そしてそれを可能にする断熱の重要性に改めて気づかされる。「住環境の“世界レベルの当たり前”をここで体感してもらいたいんです。『こんな家もできるんだ!』と。家の中ですら暑い寒いを我慢する、日本の暮らしの方が特殊なんです」。

 ふたつめのテーマは、16坪という限られた面積を、いかに開放的で暮らしやすくデザインするか。「もとは3つの和室に個室のキッチンというバラバラの間取りでしたが、まずはできるだけ間仕切りの無い大きなワンルームに。そのうえで空間ごとに床の高さと仕上げを変え、視覚でゆるやかにエリアを分けました」と北山さん。玄関からフラットに続くフローリングのダイニング、一段下がるとコンクリート敷きのリビングに続き、東に進んで二段上がるとヘリンボーン柄の床がアクセントのキッチン・水廻りゾーンへ。連続しつつも絶妙に仕切られた空間デザインは、吹き抜けにした天井とともに抜群の開放感を演出する。
 さらに、halutaの家は外構まで含めて設計されているのも特徴。専門のランドスケーパーが周囲の環境や住まいのプロポーション、今後のメンテナンスのしやすさまで踏まえてエクステリアを提案してくれる。「庭も“住まいの心地よさ”につながる大切な要素だから、北欧では普通のこと。家の中も外も心地よいということがこんなにも幸せなんだと、この事例をきっかけに知ってほしいですね」。

(ナガノの家リフォームリノベーション vol.2掲載掲載)

断熱材は全く使用されていなかったブロック造の建物をすっぽり覆うように、ロックウールで外断熱したhalutaレストレーションハウス。従来北側にあった玄関を南面に移動し、広いウッドデッキからアクセスするつくり。左側は施工中の同じ建物

詳細データ

  • 予算/2,001~2,500万円
  • 竣工年月/ 2018年 4月
  • 所在地/上田市
  • エリア/上小
  • 階数/1階
  • 工法/その他工法
  • 延床面積/ 53.00㎡ ( 16.03坪 )
  • 1F/ 53.00㎡ ( 16.03坪 )

平面図

特徴

  • 平屋
  • デザイナーズハウス
  • 庭にこだわり
  • ウッドデッキテラスあり
  • 暖房にこだわり
  • 省エネ・エコ
  • 高気密・高断熱
  • インテリアにこだわり
  • 吹き抜けあり
  • スキップフロアあり

企業情報

軽井沢町

株式会社ハルタ

長野県の住宅工務店