長野市
小坂建設株式会社
小坂建設株式会社 (長野市)
千曲市 / M邸 / 夫、妻、長男、次男、三男
大切な家族が集う家は、一生モノの買い物だから…と
本物を求めて学ぶうち、辿り着いたのは伝統構法が息づく住まい。
多くの職人技を後世につなぐ木の家で、
信州の風土をめいっぱい感じられる暮らしが実現した。
当初から木の家がいいという希望はあったものの、思い返せば知らないことだらけだったという宮川さんご夫妻。土地が広く自然に近い場所を探して中古住宅も検討し、幅広く情報を集めていた。すると、湧いてきたのはたくさんの疑問たち。「例えば『壁には何が入っているんだろう』と気になって構造や素材を調べる中で、『僕らが建てたい家って本当にコレかな?』と感じるようになったんです」とご主人。どれだけ安く建てられるか、どれだけ便利で快適になるか…だけでなく、出すゴミを減らし、環境への負荷も減らし、直しながら住み継げる家がいいと思うようになった。
伝統構法と小坂さんのことはネットで知ったというご夫妻。何百年も続くお寺などと同じ技術で家を建てるなら、木の特徴を活かして最適な方法を取ってくれるだろう、という信頼感を持てたという。同時に、「どれだけ素晴らしいものでも、知識や技術は活かさないと廃れてしまう。熟練の職人が本気になって建ててくれる家に住みたいし、建てることで技術を後世に残していきたい」とご主人。こうした職人への尊敬の念や使命感のようなものに押されて、伝統構法の家づくりを叶えることができた。
「木組みの様子や空気感、お気に入りを挙げればいくつも。いい家が建てたくて仕事をしている、そんな職人さんたちと出会えたことにも感謝しています」と笑顔の奥さま。たくさんの人の想いが詰まった家に、今日も心地よい風が吹き抜ける。(ナガノの家 Vol.18 2022年 秋・冬号掲載掲載)
魅せるための材は一切使わず、すべての木組みが家を支えている伝統構法。キッチンを真ん中にして家族が集う一階は、全方向から自然光が入り、柔らかな影が伸びる。「経年とともに濃くなっていく色の変化や付いた傷まで楽しめるのが、木の家の醍醐味ですね」