長野市
小坂建設株式会社
小坂建設株式会社 (長野市)
長野市 / K 邸 / 母親、長男
Kさんが家づくりにあたって出した希望はふたつ。ひとつは「自然の恵みと先人の知恵が息づいた家づくり」、もうひとつは「それをできるだけ安価で」ということでした。
そこで工夫したのが使用部材です。通常は1・2階それぞれに3mの柱を立てることが多いのですが、「2階は寝室だから、天井が低くてもむしろ隠れ家っぽくていい」と、4mの柱1本で2階まで賄うことに。屋根形状や木組みを工夫することで、寝室として十分な空間を確保しつつコストを大幅に抑えました。
また、今や珍しい木舞下地の土壁や漆喰塗り、焼杉の外壁など、随所に昔ながらの素材を採用。「でも〝自然素材の使用〞が目的ではありません。〝この国の建築文化が本来そうであった作り方〞にこだわった結果なんです」と話すのは小坂社長。受け継がれてきた伝統の技を生かしつつ現代に合わせて創意工夫を凝らしたこの家は、住まい手のニーズによって柔軟に対応できる、伝統構法の可能性を改めて感じさせてくれます。
焼杉の外壁が印象的なK 邸は、南面のみ漆喰の塗り壁。焼杉の炭色が漆喰の白を引き立て、まるで鶴のような美しい印象を与える。時間とともに表面が固く締まる漆喰は、その堅牢さで古くから蔵や城などで重宝されてきた
長野市
小坂建設株式会社