長野市
しなのいえ工房(株式会社アグリトライ)
しなのいえ工房(株式会社アグリトライ) (長野市)
高山村 / K邸 / 夫、妻、猫1匹
「帰る家が暖かい」という、安心がある幸せ
山間ののどかな集落に建つK邸。就農のため大阪から移住したKさんご夫妻が暮らすのは、築50年・52坪の家の約半分を改修した“ハーフリノベーション”の住まいだ。一見すると昔ながらの平屋の家だが、玄関横の扉を開けると雰囲気は一変。内と外の環境が明確に分離された、心地よい空間が広がっている。
「すべてを改修する必要はないと思って」と話すのは、リノベーションの設計を手掛けた小嶋さん。「ふたり住まいなら、住空間をコンパクトにして性能アップに徹した方が居住性も経済性もいい」と、庭を望む東側を改修範囲として線引き。その中で暮らしが完結するようにプランを練った。ご夫妻のリクエストは、書斎と畳スペースがあること、生活空間に外仕事の衣服を持ち込まないこと、そして愛猫への配慮。玄関脇に身支度スペースを設け、居住エリアは躯体のみの状態に戻して断熱気密性を高める工事を行い、新築同様の快適な空間となるよう整えた。
改修を終えると、リノベエリアとそれ以外の空間の違いにKさんご夫妻は心底驚いたという。「断熱でここまで体感が違うとは。家に帰れば暖かいと思うと真冬でも外に行くのが苦にならず、行動的になれますね」。室内から眺める景色は懐かしい里山の風景そのもの。果樹を育て、毎日を忙しく快活に送るご夫妻だが、“ドアを開ければいつでも快適”という安心感が、自然とともに暮らす毎日を支えている。(ナガノの家リフォームリノベーション Vol.9掲載)
庭を望むLDKは、窓の外に視線が誘われるよう天井高を抑えたつくり。窓台はサクラ。出幅があるので、ベンチとしても便利に使用中。リノベエリアの部屋に入ると断熱材の効果がはっきりと感じられる。非断熱空間との温度差は歴然